2009年6月29日月曜日

しからしめるもの


 どんな方法をとっても、あらゆる国民はその政府のしからしめるものにしかなれない。
    <ルソー、告白録>
〝邯鄲の夢〟

2009年6月24日水曜日

体内時計


 細胞分裂のタイミングや分化プログラムなどの時間経過は、すべてタンパク質の分解と合成のサイクルによってコントロールされていることが分かっている。つまりタンパク質の新陳代謝速度が、体内時計の秒針なのである。
 そしてもう一つの厳然たる事実は、私たちの新陳代謝速度が加齢とともに確実に遅くなるということである。つまり体内時計は徐々にゆっくりと回ることになる。

 年をとると一年が早く過ぎるのは「分母が大きくなるから」ではない。実際の時間の経過に、自分の生命の回転速度がついていけていない。そういうことなのである。
    <福岡伸一、動的平衡>
〝加齢とともに時間は曲線から直線に変質すると私は考えていた。アヤマリ!〟

2009年6月18日木曜日

精神


 かって精神は神であった。
 次いで、精神は人間になった。
 そして今は、それどころか、精神は賤民にさえなる。
    <フリードリッヒ・ニーチェ、ツァラトウストラ>
〝精神は幻想〟

2009年6月17日水曜日

信仰


 絶望が追い払われている状況が信仰である。
 思うに信仰とは、自己が自己自身でありまた自己自身であろうと欲することによって、自己自身を神に根拠づけることである。
    <セーレン・キルケゴール>
〝実体ないものに根拠づける〟

2009年6月16日火曜日

とこしへ


 とこしへに常しへに、二度と再び得られぬものを失った、
すべての人を・・・・・・。
    <ボオドレエル>
〝のみならず持ち時間の終わりが迫っている〟

2009年6月14日日曜日

不条理


 時間はかれとともに歩む。
 不条理な人間とは時間からはなれることのない人間のことだ。 

 事物の深い意味を信じない、これが不条理な人間の特性だ。
    <アルベール・カミュ、シジフォスの神話>
〝不条理な人間とは時間から離れようとする人間のことでは・・・という見方もある〟

2009年6月10日水曜日

電気的信号


 人間は、頭蓋骨の中の小さな脳の活動を通して、世界の森羅万象を志向する。
 物理的現象としては、脳の中の一千憶個の神経細胞が、電気的、化学的活動をしているだけである。
 その活動が、「私」の意識をつくり出し、意識に浮かぶクオリアをつくり出し、意識の中の時間と空間をつくり出す。
    <茂木健一郎、脳の中の文学>
〝世界は電気的信号、化学的活動の金太郎飴状態だ。宇宙から微小物質まですべては相似形。当然起こる質問がある、「なぜだ!」。この問いかけは「疑問」ではない、君に問う「質問」だ。〟

2009年6月9日火曜日

空席


 いくら私が長生きしたところで、この日にはもう私はゐないのだ・・・・・・。
 しかし他の人は生きてゐる。
 そして私の空席は少しづつ、他の人に依って充されるか、消えて行ってしまふかするのだ。
    <アンリ・バルビウス、地獄>
〝あの観客が劇の進行を望んでいる〟

2009年6月8日月曜日


 それの世界は空間と時間の網にとらえられている。
 なんじの世界はそのいずれの網によってもとらえられていない。
    <マルティン・ブーバー、我と汝>
〝意識の閾〟

2009年6月6日土曜日


 人間の魂も、時間と永遠のあいだに、ためらいがちに、あこがれながら、誇らしげにかかっているのだ。
 時間と永遠のあいだを漂いながら、人生を渡って行くのだろう。
   <ヘルマン・ヘッセ、郷愁>
〝この運命はなにゆえに?〟

2009年6月5日金曜日


 我が家の法、人知るや否や
 児孫のために、美田を買わず
    <西郷隆盛>
 まず西郷ほど生活上の欲望のなかった人は、他にいないように思われます。
 日本の陸軍大将、近衛都督、閣僚のなかでの最有力者でありながら、西郷の外見は、ごく普通の兵士と変わりませんでした。
 西郷の月収が数百円であったころ、必要とする分は15円で足り、残りは困っている友人ならだれにでも与えられました。
 東京の番町の住居はみすぼらしい建物で、1ヶ月の家賃は3円であったのです。
    <内村鑑三、代表的日本人>
〝本来の法のある暮らしはどこに行った・・・〟

2009年6月3日水曜日

現代


 想像や憶測にくらべると、事実がどんなに単純で気やすめになるか。
    <ライナー・マリア・リルケ、マルテの手記>
〝事実と想像や憶測の区別のつかない複雑な現代〟

2009年6月2日火曜日

歴史


 歴史と永遠とのふたつのうちで、ぼくが歴史を選んだのは、確実なものを愛しているからだ。
 すくなくとも歴史については、ぼくは確信を抱いている。
 それにぼくを圧しつぶすこの力を、どうして否定できよう。
    <アルベール・カミュ、シジフォスの神話>
〝二者とも存在しない、あるは実存のみ〟

2009年6月1日月曜日


 古くなったものは、どんどん土になるの。
 土から生まれたものは、年をとれば土に近づくだけなのね。泥臭くなる。
    <沢木耕太郎、紙のライオン>
〝じっと土をみる、憂愁〟