2013年11月11日月曜日

あの男



ああ、あの男は自分で自分に満足しきっている。
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あの人はわたしを知っているように思ったんだ。あの人はわたしなんか知りゃしない、世界中のだれだって、わたしのことを知らないのと同じくらいにね。
本人のわたしだって知らないんだもの。
わたしは、フランス人のいうように、自分の食欲を知ってるくらいなものだわ。

ほら、あの子たちはあのきたならしいアイスクリームが食べたいんだ。
それは当人たちも確かに知っているに違いない。
<アンナ・カレーニナ: トルストイ>

"ついぞ何も知らなかった。
一瞬が過ぎさり一瞬がおとずれ、一瞬のいまも心の川が流れる。
なにひとつとして止まるものはない。
それ以外のことはすべて無知。
おぼろげに、透明な宇宙の深遠に何かしらの真理がありそうだという五感の感得を除いて…。"