2013年11月13日水曜日

ピロポソス


ある者は富への愛によって動かされ、ある者は権力と支配を欲する情熱に盲目的に引きずられています。しかしもっとも優れた人間は、人生の意味と目的とを見出すことに専心するのです。自然の神秘のヴェールを剥ごうと努力するのです。これこそ私が、ピロポソス(知恵を愛する人)と呼ぶ人間です。というのも、あらゆる点で非の打ちどころなく賢い人間などおりませんが、知恵を愛する人は、自然の神秘への鍵としての知を愛することができるからです。
<ピュタゴラス>

ピュタゴラスは、音楽の和音から惑星の軌道にいたるまで、あらゆることがらの背後に数が潜んでいることに気づき、「万物は数なり」と言い切るまでになった。ピュタゴラスは数学の意味を探ることによって、宇宙の性質を記述する言葉を作っていた。彼は、自然現象は法則に支配されていること、そしてその法則は数式で表せることに気づいた。

"私は紀元前6世紀に生きたピュタゴラスの足もとにもおよばない…。そのピュタゴラスは、彼に恐れと偏執、そして羨望をもつ為政者や民衆から火を放たれて殺された。途方もなく先端をゆく者に対して、私たちは、間違いなくその民衆の一人でしかない。ただいまも、民衆の一人として、日常の直観や慣習にかたまり、そこにいるピュタゴラスを殺していないだろうか…。自らの領分のピロポソスになる努力をしないと…。"