2009年2月28日土曜日

万物の消耗者


 ああ時よ、万物の消耗者よ。嫉妬深き歳月よ。
 汝は総ての物を破壊し、年々歳月、強靭なる歯牙を以ってあらゆる物を喰らい尽くし、やがて徐々に死に到らしめる。
    <レオナルド・ダ・ヴインチ>
〝なぜ、と。〟

2009年2月27日金曜日

機械


 機械は芸術家であり、機械は繰り返す。
    <ハーバート・リード、芸術の意味>
〝逆説。繰り返す者は決して深い意味の芸術家ではない、彼は職工に他ならない。〟

2009年2月26日木曜日

凡人


人間のむなしさをじゅうぶんに知ろうと思えば、恋愛の原因と結果を考察しさえすればいい。
    <パスカル>
〝孤高ならざる偉大な科学者〟

2009年2月25日水曜日

自由と純粋持続


 たいていの場合、われわれはわれわれ自身の外部に生きる。われわれは、われわれの自我については、その色褪せた幽霊のみしかみない・・・・・・。
 われわれは、われわれのためにというよりは、むしろ外的世界のために生きる。われわれは思索するよりもより多く語る。われわれは、われわれ自身が行動するよりも、より多く働きかけられる。
 自由に行動するとは、自己を取り戻すことを意味し、純粋持続にかえることを意味する。
    <ベルグソン、意識の直接的諸与件>
〝自由とは意識のつくり出した桃源郷、身体から離れる意識の自由がその究極の狙い・・・、だろう。つまり帰るべき純粋持続は存在しない〟

2009年2月24日火曜日

カミュ


 いいかね、私が自分の思考のなかで探し求めている統一は、在りはしないのだ。
 けれども、こうした思考の統一性の原理それ自体は、そんなものは持っていないという事実の中にあると私は信じている。
 私はパラドックスを弄したりしたくはない。
 ただ、私が自分の心の奥底で感じていることを言っているのだ。
     <アルベール・カミュ、直観>
〝その通り・・・、在りはしない〟

2009年2月23日月曜日

脳の特徴


 脳にはいくつかの特徴があって、一つは合目的的な行動をする、ということです。それから意識というものを持ちます。さらにもう一つ、脳が持っている大きな作用で私が非常に重要だと思っているのが、「現実とは何かということを決めてしまう性質」です。

 その場合の現実とは何かといえば、人間が何かをするときに影響を与えてくるものすべてを言います。

 なぜそれが重要かというと、そのことが「現実は人によって違う」ことを意味するからです。つまり、脳が現実を決定するということは、人によって現実は違うのだということを意味しています。
    <養老孟司>
〝人とはそもそも意識の作り上げる帰納法的推断の収斂にすぎない、しかし身体は与件としての存在そのものである、だが人は永劫に身体を理解できない、なぜなら古に意識は身体から双曲線を描いて旅立った者ゆえ、劫初は身体の門衛に過ぎなかったのだが〟

2009年2月22日日曜日

理解


 私は、「自然を理解する」なんてことはだれにもできない、どんなに探ったり理解しようと欲したりしても見つかるのは謎だけで、悲しくなるばかりだ、と答えた。
 日なたに立っている木、風化する石、動物、山・・・、そういうものは生命を持ち、歴史を持っている。
 生き、悩み、さからい、楽しみ、死ぬ。
 しかし、われわれはそれを理解しない。
    <ヘルマン・ヘッセ、郷愁>
〝理解においても有限なるもの〟

2009年2月21日土曜日

次回作


 ウォルト・ディズニーは、いつもこう言っていた。
 『われわれの値打ちは次回作で決まる』とね。
 腰を下ろして休むことは絶対にすすめられない。
 常に次のことを考え続けなければならないんだ。
    <人を動かす神>
〝次回作が最高作〟

2009年2月20日金曜日

社会契約


 人間が社会契約によって喪失するものは、その生来の自由と、彼の心をひき、手の届くものすべてに対する無制限の権利とである。
 これに対して人間の獲得するものは、社会的自由と、その占有するいっさいの所有権とである。
    <ジャン・ジャック・ルソー>
〝契約済み、ただし契約書はもたない〟

2009年2月19日木曜日

無限


 全ての表現の根底にあるのは、有限のものが無限のものを志向しようとする、我々の意識の持つ不思議な性質である。
    <茂木健一郎、脳のなかの文学>
〝有限、無限、無死、無時間、そして仮象〟

2009年2月18日水曜日


 芸術性の根幹は「心」である。
 作品に作者の心が入らなければ、いかに美しく輪郭をとり、いかに見事に量感を出しても何もならない。
    <澤田政廣、芸術の心を射抜く矢>
〝心は何であるか、どこにあるか、何のためにあるか、生命体はすべて持つか、分子レベルで持たないとすると、どの境界を越えたとき心を持ちはじめるか、心は身体を超えて放射されるか、心の放射はどこまで到達するか、心は共有されるか、世界は心に満ちているか、心は笑っているか、心は悲しんでいるか、心は安らいでいるか、時間は心を見て何を感じているか〟

2009年2月17日火曜日

外交


 時には、国家の一員さえ殺さず、国家を殺すことができる。
    <ジャン・ジャック・ルソー>
〝確かに、G7の財務大臣・・・〟

2009年2月16日月曜日

負のチェーン


 飲食家は塩辛き肴を食うて悩ましき熱を得、
 それを酒が鎮めることによって快感を引き起す。
    <聖アウグスチヌス、告白>
〝正負の印とはなんぞや〟

2009年2月15日日曜日

基準


 結局、僕の基準って、オモロイか、オモロクないかだけなんですよね。
 「オモロイほうがエエやろ」って思っています。
    <嘉門達夫>
〝人たる基準とはいえない、せめて老年病床に転がりこんでもそういい続けて呉れ〟

2009年2月14日土曜日


 愛とは、そのときどきの相互の問いかけに応えていこうとする意欲のことです。
 愛のありようは変わります。
 幸せになることが愛の目的ではありません。
    <姜尚中>
〝宗教的な愛はもっと広い、そうでない愛はもっと狭い、共通するのは自己の溶融〟

2009年2月13日金曜日


 脳は、その基本的な機能を共有できます。
 だから、自分の感情、考え、思想、思い出などを、他人に伝えることができるわけです。
 このような脳の共有機能にはマイナス面もあって、自分だけにしかない肝心のものがなくなってしまう、という現象が出てきます。

 このような脳による共有化には社会的な意味合いもあります。もし永久に行き続けたいとしたら、自身を心と定義すればいいのです。自分の考え、思い出、感情というものすべてを、他の人が感じてわかって抱えとってくれれば、自分自身はなくなってもいいのです。共同体が行き着くところはそういうかたちです。
    <養老孟司、かけがえのないもの>
〝脳はそれでも安心できない〟

2009年2月12日木曜日


 精神が措定されたことによってはじめて、言語はその正当な権利を得たのであるが、精神が措定されたことによって、精神ではないいっさいのものは排除されたのである。
 しかしこの排除は精神の規定であり、したがって排除されたものが有効であるべきであるかぎり、それは精神的に規定された一つの媒介を要求するが、この媒介が音楽なのである。
 しかし精神的に規定された媒介は本質的に言語であるが、いま音楽は精神的に規定されているのだから、音楽が一種の言語と呼ばれたのは正当なのである。
    <セーレン・キルケゴール、著作集1>
〝ときおり顔をのぞかせる精神的に規定されていない貌〟

2009年2月11日水曜日

孤独


 友情にことばはいらない。
 それは、孤独の不安から解放された孤独である。
    <ダグ・ハマーショルド・第二代国連事務総長>
〝うれしい孤独なのか〟

2009年2月10日火曜日

母親


 ━もういっぺん母親に連れられて
 祭りの日には風船玉が買ってもらいたい
    <中原中也、山羊の歌>
〝郷愁〟

2009年2月9日月曜日

デモクラシー


 デモクラシーは各自が自己の要求を主張することにあるのではなくて、むしろ各自が謙虚な反省をなすところに成立する。
 それはインドの宗教が基礎づけるものである。
    <ラーダークリシュナン>
〝つまり精神世界でのみ成立する〟

2009年2月8日日曜日

個の限界


 米は米、豆は豆。
    <荻生徂徠>
〝自然体、そして分限、ときに克服すべきもの、ときに了知すべきもの〟

2009年2月7日土曜日

言葉


 言葉はわれわれの血にも涙にもならず、ただ肉体を腐らせる役割しか果たせなかった。
    <ニ上実、肉体の考察1969理想>
〝美味としての腐臭に惑わされる、人、そして進化〟

2009年2月6日金曜日


 ワクを通してなにかを見ると、必ず、そのワクに逆に迫ってくる外界の圧力ってものがある。
 ワクは必ず、少しずつ微妙にズレて、くずれていって、別の形になっていく。
    <大岡信>
〝人〟

2009年2月5日木曜日

自由


 私は街を歩いていた。
 私が目を凝らして物者を見つめると、
 すべてが固化して、時間の流れを失った。
 
 私はすべての物者から見られることから自由になった
 と想ったが、これでは不満足だ。
 自由とは環境から隔絶されることではなく、
 環境を想うがままに動かし、環境に
 最大限の影響力を行使できることである。
 〝アンナカレーニナは環境を見たくないために目を細めるのだった〟
 

2009年2月4日水曜日


 人工空間の中に人間が住むようになるということは、すなわち「人間が脳の中に住むようになる」ということなのです。
 都市は典型的な人工空間です。
    <養老孟司、かけがえのないもの>
〝帰去来の辞〟

2009年2月3日火曜日

浄化


 音楽は私の場合何らかの倫理観と結びつく芸術である。
 私は自分のいやらしいところを随分知っている。
 それが音楽で浄化される。
    <五味康祐>
〝音楽は意味を追い求めない、観念的なものではない、もっと空っぽでしかも満ち溢れるもの〟
 

2009年2月2日月曜日

アテンション


 社会というのは、基本的には見知らぬ者同士が集まっている集合体であり、だから、そこで生きるためには、他者から何らかの形で仲間として承認される必要があります。そのための手段が“働く”ということなのです。

 「人はなぜ働かなければならないのか」という問いの答えは、「他者からのアテンション」そして「他者へのアテンション」だと思います。
 「アテンション」とは、ねぎらいのまなざしを向けることです。
    <姜尚中>
〝糊口はいうまでもない前提〟