2008年7月8日火曜日

教養


 彼らが会話の中に投げだす、あれら奇矯で変わった名前は、ぼくを苛立たせる。
 いったい彼らは、ああいう引用をしたり、ソクラテス以前の哲学者たちを引き合いに出したりすることで、ぼくを気後れさせられると本当に思い込んでいるのだろうか?
 彼らの自称する豊かさは、仮面をかぶった貧しさにすぎない。
 真実はまったく別の代価を払って得られるものだ。
 一人の人間が包含している悲惨さ、弱さ、凡庸さを知ること、それこそ真の教養だ。
 読書をした、学んだ、ということは重要ではない。
    <ル・クレジオ>
〝文字は仮面であり、人間は仮面の複合物である。人は教養という中和剤を用いることがある〟 

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