2008年7月1日火曜日

真実の姿


 モーツァルトは、何と軽いのだろう。
 不思議なまでの軽みを持ち、かつ破綻が全く見あたらない。
 そのメロディーは、極めて様式的な印象を与えるが、そうではない。
 不要なものが最大限に切り捨てられ、残されたもののみで心の音色を奏でている。
 それが、不思議なまでに様式美と一致するだけのことなのだ。
 時代を乗り超え、モーツァルトが今日まで残った最大の理由は、そこにあるのではなかろうか。
 
 これは、おかしいことである。
 人間が、その真実の姿に近づけば近づくほど、様式美と一致する。
 私にはその答えは分かっている。
 それは、形の闘争で、しかも抗い得ない形と時間との唯一可能な譲歩の結果なのだ。
 モーツァルトの音楽には、それが根源として現れている。
〝K90Ap4〟
 
   

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