長く生きたのではなく、長く有ったにすぎない。
たとえば或る人が港を出るやいなや激しい嵐に襲われて、あちらこちらへと押し流され、四方八方から荒れ狂う風向きの変化によって、同じ海域をぐるぐる引き回されていたのであれば、それをもって長い航海をしたとは考えられないであろう。
この人は長く航海したのではなく、長く翻弄されたのである。
<セネカ、人生の短さについて>
〝長い航海をするには羅針盤が必要だが、星が見えない夜は翻弄の旅をすることになる。そして今この時は、星がみえているのか、見えていないのか、判別する自意識さえも既に失ってしまったかもしれない。先程まで見えていた羅針盤も見えない。〟
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