
イタリアの夜の町に趣があるのは、目にとげとげしい蛍光灯色の街灯がなく、どれもが優しい昔の夜の明かりの色だからです。
これなら夜の町のそぞろ歩きもいい気分です。
空が群青色に変わって町の石壁にオレンジ色のライトがつくと、昼間とは違うもうひとつの美しい町が出現します。
残念ながら日本はどうでしょう。
蛍光灯の町は見たくもないし、歩きたくもありません。
明かりひとつで町や家の見え方がこんなにも違うのですから、もっと気を遣うべきですね。
どんな明かりをどうつけるかで、同じものがまったく違って見えるのですから。
<有元葉子、イタリア田舎暮らし>
〝そう思います、でもなぜ現代の日本人はそんな感性を持たないのでしょうか。江戸の浮世絵世界をはじめとして、あれほど西欧社会に美的感受性の素晴らしさを知らしめてきた日本人なのに、現代の日本人は蛍光灯色のもとでいったいどんな世界を見ているのでしょうか。平板な解剖学的環境世界、それでは物の本質は見えません。物の本質は常に人の感知する脳の陰影の中にあるのです。それはダイナミズムをもって動いています。〟
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