2009年12月31日木曜日

お話し


 さあ、それでは、お話をはじめましょう。
    <飯田史彦、生きがいの創造「PHP文庫」>
〝その《お話し》にいちど耳をかたむけて良いかもしれない…。こだわらないことの大切さを知るため〟

2009年12月29日火曜日

政府の病


 病おもくして、薬にて救ひがたしといへども、病家より薬を求むる事切ならば、多く薬をあたへて、其心をなぐさむべし。
    <貝原益軒、養生訓>
〝病家が支払う先端医療のガン治療薬は月40万円を超えるという。江戸と違い当世の病家はなぐさめさえも手に入れることができない。医療従事者の診療報酬が新政府によりわずかながらも増額された。翻ってその分、病家のなぐさめは小さくされたと言えるだろう。近時は恐慌で巷間に若年失業者があふれている。税はかれらのためにこそ使われるべきである。ただでさえ収入の大きなものに、この不況の時代、貴重な税を投入すべきではない。道理の適用されるべき順番がものごとにはある。もっとも後に来るべきものがもっとも先に来る判断をしてはならない。新政府の精神構造を解剖して見たい〟

2009年12月28日月曜日


 西洋人の観念には、神という絶対の存在・・・つまり比類なき唯一のウソ・・・があるように思いますね。古来、神学は、ありもしない絶対(神)を、ある、ある、という哲学的論証を重ねつつ、論理と修辞と叙述を発展させてきた観があります。
    <司馬遼太郎>
〝神のもつ「スタイル」を問わなければ、かならず「神」は存在する。近代物理学の歴史は、それ以外の結論を想像することを許さないほどに深化した。ひとえに、その「スタイル」を神とよぶか、神とよばないかだけの違いでしかない。人は神のスタイルを見ることあたわないので、これからも、人の歴史がつづく限り神(「その現れ方としてのスタイル」)をめぐる論争は尽きないだろう。しかし、人は、もっと即物的に近代物理学が切り開いた統一法則に満ちみちた世界を見つめるべきだ。私たちは日常生活のなかで、ある種の意思的な計り事なくして期待値としての「統一性」はあらわれないことをよく知っている。「統一性」は偶然にはあらわれない。そして宇宙は、期待値としての「統一性」に満ちみちている。司馬遼太郎の論考は間違っている〟

2009年12月23日水曜日

酸化作用


 どうして人間の肌が老化するかご存知ですか?
 酸化作用なんです。写真も時間が経つと色があせますよね。あれと同じ仕組みなんです。
    <小森重隆 富士フィルム社長>
〝生命体をふくむすべての物質にあらかじめプログラムされた作用が意味するものは、すでに明らかだろう〟

2009年12月22日火曜日

運と縁


 人間には「運」と「縁」がついて回るのですね。
    <加藤良三 プロ野球コミッショナー>
〝≪人間とは、「運」と「縁」が織りなす生命現象そのもの≫、というのが真実ではなかろうか、さらに云えば≪人の造物主は「運」と「縁」である≫とさえ思える〟

2009年12月21日月曜日

支離滅裂


 仏教は死ねばみな仏様になる。
 ほかの宗教でみんな神様になれるところはあるか。
 基本的な考え方が違う。
    <小沢幹事長 民主党>
〝云っていることが支離滅裂ではありませんか〟

2009年12月20日日曜日

異分子


 文明とは歴史が証明しているように、異分子が加わることによって生ずる幾分かの拒絶反応を経験して始めて、飛躍的に発展するものなのである。
    <塩野七生 作家>
〝島国生まれ〟

2009年12月19日土曜日

狼疾


 狼疾(ろうしつ)という言葉がある。
 「孟子」中に見え、「指一本を惜しんで、肩や背まで失うのに気づかぬこと」の意味である。
〝日本病、鳩山病〟

2009年12月18日金曜日

不安


 ドルは、もはや完全に魅力のない通貨となりました。
 世界中の人達が売りたくて仕方がないのです。
 ただ現実問題として、ドルに代わる世界通貨もないし、他に流通するユーロや円、元などでは心もとないので、やむを得ずいやいやドルを使っている状態です。
 しかも世界中、たまったドルのことが不安でならないのです。
    <船井幸雄、すでに世界は恐慌に突入した>
〝ある航空会社は10年近く前に株式市場が大崩れし、その後も日経平均がほぼ顕著な下落傾向をたどるのにも一切構わず、年金資金株式ポートフォリオ割合を6割の異常レベルにとどめおいて、長年、省みることがなかった。その会社はニュースによるともはや破綻状態にある。「不安でならない」、そんな健全な感覚を、いかなる状態に立ち至ろうと、持たない人達もいるのです。とくにofficialと呼ばれがちな者たちは・・・〟 

2009年12月17日木曜日

クモ


 人生においてはとうてい重要とは思えないようなもの、無いなら無いに越したことはないようなものたちによって、かろうじて人生そのものが存続している。
    <磯崎憲一郎 作家>
〝私の庭の黄金クモが失踪した、早朝三回私の吹きかける朝息にブランコのように揺れていた白いクモの巣が、繕ろってくれる主を失ったまま廃屋のようにすさんでいる。鳥がさらっていったのか。私の人生はこのようなものに係わりあいながらかろうじて存続している〟

2009年12月16日水曜日

運天


 世間ではわたしのことをどう思っているか、知らないが、自分では、自分のことを浜辺で遊んでいるこどもみたいだと思っている。
 ときどき珍しい小石や貝を見つけて喜んでいるが、向うにはまったく未知の真理の大海が横たわっているのだ。
    <アイザック・ニュートン>
〝すべて未知だらけだと思うこの頃、運天しか、もはやわたしの寄り添うものはない。そもそも、劫初から、運天の他に真理はなかったのかもしれない、それをわたしの身を蔽う衣服が、曇りガラスのように遠ざけ、遮っていた。その曇りガラスの効能も、齢の年輪により剥ぎとられ、いよいよ、隠れた永遠の真理が姿をあらわした。運天とは運を天にまかせることである、つまり、いかなる時も人は主体になれない、ということである〟

2009年12月15日火曜日


 僕たちの研究でわかったことは一つは、目の表面が濡れているとキラキラする。
 ドライアイじゃない、若くて健康な目の証拠です。
 もう一つは、固視微動といって、生きている目は常に動いています。
 ダイヤモンドを動かすとキラキラ光るのと同じです。
 興奮すると、固視微動が強くなるといわれています。
 だから、やる気のある人は目が光る!
    <坪田一男 慶大医学部教授>
〝目は口よりも物を云い、はどうやら正しいようです。やる気をもってガンバリましょう〟

2009年12月14日月曜日

よすが


 人間は卑小ではありますが、自然と同等の偉大さをもっています。
 人は人を愛せるのです。
 愛という実体のない情をよすがとして生きていけるのです。
    <あさのあつこ>
〝よすがは生命体にとり極めて重要な概念だが、実体には存在せず実体と実体との関係性の中にしてはじめて存在しうる。つまるところ生命体は実態のみでは生きていけないようプログラムされているということだ。そこでいつもの疑問が生じる、はたして誰がそのプログラムを埋め込んだのかということだ、はたして誰がそのプログラムを楽しもうと思ったのかということだ。〟

2009年12月13日日曜日

一歩先


 無料の水が蛇口をひねれば出てくるのに、わざわざ人々はお金を払ってミネラルウォーターを買ってるじゃないか。
    <スティーブ・ジョブズ、人を動かす神>
〝人に一歩先を見せて歴史をつくる決意と輝きが市場を支配する〟

2009年12月12日土曜日


 魂とはすなわち統一なのだ。
 なぜならすべての身体的なものは、克服しがたい乖離のなかにおかれており、事物の間の錯綜や、浸透や、親密な絡み合いはひとえに魂のなかでしか生じないからだ。
 外界にはこうした親密さに類比されるものは存在しない。
    <ゲオルク・ジンメル>
〝絶え間なくゆれ動く統一、この逆説〟

2009年12月11日金曜日

実体


 対象を固定したもの、すなわち同じものと見ているとき、それは「情報として見ている」といっていい。
 逆に違うものと見ているとき、それは「実体として」見ているのである。
    <養老孟司、人間科学講義>
〝人は実体を感ずることはできても見ることはできない、ということらしい。さすれば、人は永遠に他存在を存在として理解することはない。人の社会とはそんなものということだ。限りなくつづく百家争鳴、実りのない、限りある人生の時の浪費。いいかげんに見極めよう〟

2009年12月9日水曜日

西方浄土


 彼らの墓が大はファラオの墓であるピラミッドから一般庶民のそれにいたるまで、みな、ナイルの西岸つまりリビアの沙漠中にあって東方に一つもない。
    <村川堅固>
〝太陽が西からのぼる惑星の古代文明にあってはおそらくすべての墓は東岸におかれただろう、でもそこに流れる音楽はどちらのケースでもただひとつだろう。生命体のもつ音調はきわめて全宇宙的な物理論理に支配されているので、このことは容易に推測できる。さあきょうから音感磨きに研鑽をかけよう!?〟

2009年12月8日火曜日

三途の川


 三途の川の思想は、仏教では「人の罪が重くて、地獄、餓鬼、畜生の三途(三悪道)の苦しみを免れて浄土に生まれることが、容易でないのを、川の越え難いのにたとえたもの」といわれる。

 川のほとりには奪衣婆(だつえば)がいて亡者の着物を奪い、渡し守は渡し賃の六文銭を要求することになっている。
    <石上玄一郎、エジプトの死者の書>
〝もっと明るい発想もあるのでは?どっちにせよ誰も検証できないのだから。抽象化された思念はすべて無意味なことだ。意味など求めるのが間違っている〟

2009年12月7日月曜日

認識への道のり


 印象から認識にいたる道のりは、しばしば遠く、そして困難です。
 しかも大抵の人間は、脚の弱い旅人にすぎません。
 彼らが私たちに向って、壁にでもぶつかるようによろけるときには、彼らをゆるさなければなりません。
<G・ヤノーホ、カフカとの対話>
〝認識はアンテナのようなものでそれ自体が意味をもつものではない、しかもアンテナは無数かつ多様にある〟

2009年12月6日日曜日

星のかけら


 さて、この宇宙の中に存在するありとあらゆるもの、それは〝あなた〟も〝わたし〟も、ひっくるめたすべてのものたちが、もとをただせばみんな〝星のかけら〟だとお話してきました。
 そしてすべてはただひと粒の光から生まれたのだともお話してきました。
 それでは、その光はどこからやってきたのでしょう。
    <佐治春夫、ゆらぎの不思議>
〝そうです、みんなもとはひとつの星のかけらなのです、そして、いずれはまたもとどおりのひとつの星のかけらにもどるのです。それまでのあいだ、ひとつのものがひとつではないものに変わり、おたがいに遠ざかりあい、その隔たりに永遠とさえみまがう果てしないポリシンフォニーの音調をみなぎらせながら、運命にゆさぶられて揺らぐのです。日めくりのこよみのように無が有にかわり有が無にかわり、次から次へとめくり返され、それはいったい誰のために〟

2009年12月5日土曜日

君子


 子曰く、君子は人の美を成す。
 人の悪を成さず。
 小人はこれに反す。
    <孔子、論語顔淵>
〝はてさて諸大臣を悪に成す鳩山総理大臣においてをや〟

2009年12月4日金曜日

傀儡


 我等がこの世に入ること、我等がそれより出づることは、何の要ありてのことぞ。
 すべて我等の希望は如何になり行きたる。
 塵に帰したるすべての賢者と善者の呼吸は何処にありや。
    <オマル・ハイヤーム、ルバイヤット>
〝11世紀ペルシャ詩人の嘆きに回答するものは誰もいない、詩人自身が云う≪我等はこの下界にては天の車輪のままなる傀儡に過ぎざるなり≫〟 

2009年12月3日木曜日


 人間、平凡がよい。
 しかし、その平凡な道を非凡に歩むのだ。
    <下村湖人、論語物語>
〝孔子もそう言っただろうか?抽象語はいらない。人は具象的な存在だ。そしてその具象は内的体験を重んじる。個は内的体験によって差別化され唯一無二の道を歩む。その歩み方は自ずから他と違いそこには平凡も非凡もない〟

2009年12月2日水曜日


 峠に立つということは、なぜか人生の旅を思わせる。
 だから昔の人は手を合わせ、道祖神に祈ったのだろう。
 トウゲはタムケからきたという。
〝1194 いくつもの峠を通り越してきたが後いくつだろう。わたしの峠は予感もなく現れてたちまち虹のかなたに靄って消えた〟

2009年12月1日火曜日

常盤樹


 冬になってみると、どれがほんとうの常盤樹(ときわぎ)だかわかる。
 ふだんは、どの木も一様に青い色をしているが。
    <孔子>
〝常盤樹を買い求めてきた。見極める手間を省こうというわけだ。ご来光に輝くその赤い実とトゲの多い常緑葉を毎朝めでている。でも時折疑問がよぎる。ほんとうの常盤樹に出会ったらこの世の何が変わるのか。またしても幻燈に映しだされた迷妄と戯れているだけではないのか。その名はクリスマスホーリー(ひいらぎ)。わたしの小さな庭の中央にあり冬の冷気に凛と緑葉を広げている〟


 

2009年11月30日月曜日

大河


 私の詩のなかには
 いつも汽車が走っている
 だが私はその汽車に乗ったことがない
    <寺山修二、幸福論>
〝私の心のなかにはいつも大河が流れている、だが私はその大河の水にふれたことがない、若き日のサクラメントリバー〟

2009年11月29日日曜日

グライダー


 人間には、グライダー能力と飛行機能力とがある。
 
 現実には、グライダー能力が圧倒的で、飛行機能力はまるでなし、という“優秀”な人間がたくさんいることもたしかで、しかも、そういう人も“翔べる”という評価を受けているのである。
    <外山滋比古、思考の整理学>
〝言い得て妙だが、この短い人生、飛行機には乗せてもらうのが一番かもしれない、それも特上のファーストクラスに乗り高空から美しい大地を見下ろしつつ飛翔する、なんていうのはグライダー人間の証なのか? それとも飛行機であろうとすることに消耗したのか〟

2009年11月28日土曜日

ディアレクティック


 人間が種族保存上、有効に行動し生活する為に、自然は人間に、知性という道具を与えたのは確からしいが、己れの謎を解いて貰う為に与えたとは到底考えられぬ事である。
 従って、知性は、行為の正確を期するに充分なものだけを正確に理解する。
 物と物との関係には、いよいよ通暁するが、決して物の裡には這入らない。
 その様なことは無用の業でなければ狂気の沙汰だ。
 恐らく、存在と認識との間のディアレクティックは、永遠に空しいであろう。
    <小林秀雄、ランボウ>
〝もっと簡単なことばであたり前のことは云うべきであろう、生が与えられたままの生である限りにおいては生に難しいことは何もない、与えられた限りの生でなければ生はそもそも存立しない、与えられたままでないように見える生は生の落とした影にしかすぎない〟

2009年11月27日金曜日


 力は山を抜き気は世をおおう
 時に利あらずして騅ゆかず
 騅のゆかざるを如何すべき
 虞や虞やなんじを如何せん
    <項羽、紀元前秦末「垓下の歌」>
〝私は騅の脚を速めようとしている果たしてその結末はいかなるものに〟

2009年11月26日木曜日

普遍と特殊


 歴史はときに、突如一人の人物の中に自らを凝縮し、世界はその後、この人の指し示した方向に向かうといったことを好むものである。
 これらの偉大な個人においては、普遍と特殊、留まるものと動くものとが、一人の人格に集約されている。
 彼らは、国家や宗教や文化や社会危機を、体現する存在なのである。
    <ブルクハルト、世界史についての諸考察>
〝一人の人格ができる最高のパフォーマンスは普遍と特殊の結合であろう。自己主張はそのような性質を強く有する結合方式であるが、あなたの自己主張は歴史に好まれる域に達しているだろうか。明日はマイケル・ジャクソンの遺作放映の最終日。普遍と特殊の極めてストイックな美を体現した彼は歴史に好まれた人である〟

2009年11月25日水曜日

これあれ


 これがどうならうと、あれがどうならうと、
 そんなことはどうでもいいのだ。

 これがどういふことであらうと、それがどういふことであらうと、
 そんなことはなほさらどうだつていいのだ。

    <中原中也、盲目の秋>
〝これとあれのほかにあるものをじつとものおもふけふ〟

ヴァンダビルト


 ヴァンダビルト一族の富の大きさを示すものは、その鉄道王国の拠点であったグランドセントラル・ステイション。
 この駅の建物自体、世界最大の駅であり(中央コンコースの空間は10階建てのビルに相当)、グランドセントラルから5ブロックも離れたウォルドルフ・アストリア・ホテルは、地下に特別列車の到着ホームがあることで有名だが、それはもともとこのホテルが線路の上に建てられたから可能だった。
〝070592、特別な措置というものと人〟

2009年11月24日火曜日


 燃える火を見ると、一瞬一瞬ゆらめいたり、小さくなったり、大きくなったり、丸くなったりして定まった形を持たない。
 火の形によって小人と呼び、巨人と呼び、さまざまの名を与えることができる。
 しかも暗がりを明るくし、暖める力を持ち、力をえれば、燃え広がってすべてを焼きつくすこともある。
〝ある日の瞑想〟

2009年11月23日月曜日

落葉


 焚くほどは風がもてくる落葉かな
    <良寛、越後五合庵>
〝自足自然体、無〟

2009年11月22日日曜日

現実


 現実は人によって違う。

 脳がもっている大きな作用で私が非常に重要だと思っているのが、「現実とは何かということを決めてしまう性質」です。

 脳が現実を決定するということは、人によって現実は違うのだということを意味しています。

    <養老孟司、かけがえのないもの>

〝私たちは何一つ同じものをもたない、この道はわたしだけの道、あの道はあなただけの道、ふたつの道が厳密な意味では交差しあうこともない、交差しあったように感じたとしてもそれは現実を共有することにはならない、互いに出来ることはみずからの現実の揣摩推測作用によって相手を慮ることのみ、生命とはなんと孤独な存在なのか、何ものがいかなる理由があってこのような存在を生み出した、宇宙に生命が存在する理由はいったい何なのか、ガラス玉演戯なのか?〟

2009年11月21日土曜日

様式


 様式とは、人格が果たす役割の軽減であり、とぎすまされた個性のより広い一般性への置換にほかならない。
    <ゲオルグ・ジンメル、ジンメル・コレクション>
〝様式とはこころの逃げ場である〟

2009年11月20日金曜日


 変起らば、只それに応ずるのみ。
 何ぞ動揺すべきあらんや。
    <西郷隆盛、南洲遺訓>
〝変起こして只それに乗じるのみ。何ぞ安住すべきあらんや〟

2009年11月19日木曜日

若返り色


 何が一番効果的かといえば、ピンク色こそ若返りの色なのである。

 若返り色のピンクをさらに積極的に活用するものに、色彩呼吸法がある。
 ピンクの色彩呼吸法は、まずピンクの色を思い浮かべ、ピンクの空気を吸い込んでいるんだとイメージしながら空気を吸い込み、息をゆっくりと吐き出す。
 この深呼吸を二三回くり返す。目が覚めたときと寝る前、日中の都合のよいとき、一日計三回。ピンクの呼吸をしながら自分の肌はなめらかになると心に描く。
    <色の秘密、野村順一>
〝色はなぜ存在するようになったのか?〟

2009年11月18日水曜日


 芸術は息です。
 吐いたり吸ったりする空気の中に美の世界があるか否かがすべてを決定します。
 それが芸術家の生涯なのです。
    <澤田政廣、芸術の心を射抜く矢>
〝美は持続しない、持続すると思うとしたら美は読みかえられている、まさしく美は息なのである〟
 

2009年11月17日火曜日

思い出


 私はおまえと今一度、あの黄色い猟犬をつれ、故郷の上蔡の東門から出て、すばしっこい兎を追いたかったが、今はそれも詮ないことだ。
    <宰相李斯(紀元前208年次子宛於秦牢獄)、中国古代書簡集>
〝思い出が花咲いて押し寄せるこの頃〟

2009年11月16日月曜日


 人間の条件は、つねに本質よりも先に「生」そのものがあるのであって「はじめにことばありき」ではなく「はじめに声ありき」だったのである。
    <寺山修二、身捨つるほどの祖国はありや>
〝人間の本質は「生」であり本質よりも先に「生」があるのではない。しかしはじめに声ありきは諾なり。「生」としての人間には祖国なる観念はない。「生」を放擲して偽計の本質を求める人間には祖国がある。而してその祖国は「生」に史的苦難を与える祖国である。〟

2009年11月15日日曜日

あなた


 古来日本では、鬼を「モノ」と呼んだ。
 なぜ恐ろしい鬼が「モノ」なのかというと、縄文時代以来引き継がれたアニミズムと密接な関係があって、万物に精霊・神が宿るという信仰から、「モノ」は「物質」であるとともに、「神」と同義語になり、しかもアニミズムにおける神は、人々に恵みをもたらす反面、恐ろしい祟り(災害・天候異変も含まれる)をもたらしたから、神は鬼でもあったのだ。
    <関裕一、天孫降臨の謎>
〝迷妄に生きることはやめよう。短い人生ではないか。鬼もいない、神もいない。いるのはあなただけ。そしてあなたと袖触れ合う更なるあなただけ。さらにはその光景のなかであなたとあなたと袖触れ合う更なるあなたとを見守るモノのみ。モノは物でしかなくモノは恵みももたらさず祟りももたらさない。モノはモノのありようそのままにただひたすらに時の波頭に漂っている。人はそうしたモノを気まぐれに渉猟し歩く。
それらもろもろを彼岸と此岸の双方にあってしろしめすのは厳かなる時。
言ってみれば時こそが神であり鬼であり万物の主である。
あなたは時の前でひたすら無力をさらすことしかできない。
あなたはそのことを直視したくないがために鬼と神をつくり出す。〟

2009年11月14日土曜日

楽園


 孟子によれば、義とは、人が失われた楽園を再び手中にするために必ず通過しなければならぬ、直(すぐ)なる、狭い道である。
    <新渡戸稲造、武士道>
〝楽園はありますでしょうか?生命体に楽園はありますでしょうか?集合的生命体は疑似楽園を集落のために作り上げるがそこに存在するのは常に抽象的楽園でしかないのではないでしょうか。そしてさらには、抽象的楽園はごく一部の生命体によって具体的に簒奪されごく一部の生命体以外の生命体は抽象的楽園を抽象的に復唱するのみでその具体的生命を終えるのではないでしょうか。〟

2009年11月12日木曜日

破壊と排出


 秩序を保つために秩序を破壊しつづけなければならないこと、つまりシステムの内部に不可避的に蓄積するエントロピーに抗するには、先回りしてそれを壊し排出するしかない。
    <福岡伸一、生物と無生物のあいだ>
〝つまり人の死さえも絶対存在がエントロピーに抗するため仕組んだ壊し排出する作業であること。〟

2009年11月11日水曜日

三つ


 人間がメモなしで話せるのは、たいていは三つのことまでです。
 聞き手のほうも、頭の中でとりあえず整理して覚えられるのは三つまで。
 不思議なもので「三つあります」と言われると安心するのです。
    <池上彰、わかりやすく伝える技術>
〝一つ目で迷っている、いつ三つを知ることができるのだろう。でもどれもつまりは同じかもしれない。〟

2009年11月10日火曜日

社会


 人は社会に出て、年齢を重ねていくごとにエキセントリックなものや、溢れたエネルギーが削ぎ落とされていってしまう。
    <菊池凜子>
〝社会に出て深くなる人を見極めればもっと楽しい〟

2009年11月9日月曜日

一灯


 一灯をひっさげて、暗夜を行く。
 暗夜を憂うるなかれ、ただ一灯をたのめ。
    <西郷隆盛、南洲遺訓>
〝一灯をたのんで歩んでいる、しかし暗夜は長く厳しい。〟

2009年11月8日日曜日

固定した情報


 絶えず変化する「生きている」システムのなかで、どのようにして「固定した」情報が産出されるのか、その物質的機構とはなにか。問題はそこに尽きると思われる。
    <養老猛司、人間科学講義>
〝違う!もう一歩、問題を深堀りしなければならない。そこに尽きると思われる問題は、どのようにして「固定した」情報が産出されるのか、などではない。そこに尽きる問題は、人はなぜ「固定した」情報を産出するのか、ということである。固定とは無縁でただ代謝活動の中の流れうごめく存在でしかない、そんな存在の人が、なぜ固定した情報(らしきもの)を営々と産出しようとするのか?これこそが、そこに尽きる問題であろう。だれか解答する人はいないものか。〟

2009年11月7日土曜日

始まり


 どこから表現体は始まるか?
 どこから絵画は始まるのか?
    <ロラン・バルト、表徴の帝国>
〝声から、時から逃げる声から。それにしてもバルトを買いかぶりすぎた、凡。〟

2009年11月6日金曜日

阿弥陀如来


 阿弥陀さんに恋をすると、いつも阿弥陀さんが目に浮かんでくる。
 そうすると死ぬときには必ず阿弥陀さんが迎えにきて、極楽に連れていってくれる。
    <梅原猛、仏になろう>
〝何という貧弱な思想、すべて是れ妄想、そんな妄想に身を委ねては仏になれない。瞬間は永遠なり、人は瞬間なり、そして人は永遠なり。阿弥陀は人の妄想なり。宗教心を否定するものではない、自らの持つ瞬間の永遠がその自らの宗教心をもたらすものであって、その自らの宗教心は必然的に人に享有される宗教心であり、それこそが有史以来人の宗教心が追い求めてきた姿である、ということを理解しませんか。〟