
全ての表現の根底にあるのは、有限のものが無限のものを志向しようとする、我々の意識の持つ不思議な性質である。
<脳のなかの文学、茂木健一郎>
〝我々とは人のことではない、生きとし生けるもの万物すべてのことであろう。あるいは非生命体であると我々が思い込んでいる諸鉱物も実はそうした志向性を持つのかもしれない。万物の誕生の時、ある必然がいかなる理由か、すべての存在し内的エネルギーを持つものに無限への志向性を与えた。鉱物の結晶作用とは何だろう。有限のものが無限を志向する際の、しかし必然的に生起する不安定を厭わしく思う有限のものの、束の間の退避行動かもしれない。宇宙はその誕生以来限りなく膨張をつづけている。宇宙は際限のない無限を志向している。それは人の無限への志向となんら変わらない。宇宙はおそらくは停止することによる死から逃走しているのだろう。人の意識は万物が背負った運命のひとつの例示にすぎない。〟
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